腰痛と感情の関係性
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みなさんこんにちは
恋愛セラピストの青木大です。
今日はちょっと直接的には恋愛には関係ない話になりますが、心と体の繋がりを考えるうえで参考になると思うので"腰痛と感情の関係性"についてみていこうとおもいます。
腰痛は怒り>である -長谷川淳史著
で紹介されているTMS理論について書いていきます。
TMSとは
TMSとは「Tension Myositis Syndrome」の略で「緊張性筋炎症候群」のことです。この理論を開発したジョン・E・サーノ博士はTMSを「痛みを伴う筋肉の生理的変化」と定義しています。
これまでは単独の病気が引き起こすと考えられていた筋骨格系のさまざまな症状、たとえば、肩こりをはじめ、腰痛、臀部痛、手足の痛みやしびれ、肩関節の痛み、手首や足首・膝などの関節痛などを共通したひとつの原因がもたらす症候群だというのです。
そして、その原因は"抑圧された怒り"にあると。
科学的には解明されていませんが、事実TMS治療プログラムによってこれまで30万人以上の人々が腰痛から解放されています。以前アメリカの人気番組で特集番組を組まれたこともあるのですが、その際には"この番組を見ただけで患っていた腰痛が治った"という人もいたそうです。
TMSの生まれた背景
TMS理論とはアメリカのサーノ博士によって発見された理論です。
博士はリハビリテーション医として働くなか、治療効果の一定しない従来の治療法に疑問を抱くことになります。
そのうちに、博士はある発見をするようになります。患者の病歴を調べなおしている時、筋骨格疾患に苦しむ患者の約9割が、"心身症"と呼ばれる病態を経験していたのです。
そこで博士は
"患者が訴えている痛みの原因は心の緊張にあるのではないか?"
と考えました。
そこからTMSの理論が形作られていったのです。
TMSによる腰痛のメカニズム
TMSにおいて、直接的な痛みは以下のようなメカニズムで発生します
- 身の危険を感じる(≒ストレスがかかる)と交感神経が興奮する(戦うか逃げるかするため)
- 副腎髄質から大量のアドレナリンとノルアドレナリンが分泌され、必要のない部位の血管収縮が起こる。
- 血管収縮によって血流不足のため酸素欠乏が起こる。
- この酸素欠乏がその部位の"痛み"として知覚される
(参考:https://www.itamino.com/faq.html)
このストレスが慢性化すると、体が常に酸欠状態に置かれるため、慢性的に痛みを感じるようになります。
本来こういったストレス状態は"怒り"によって発散されるものの、"怒り"は社会的にタブー視されています。身の危険を感じたからといって上司や親に殴りかかったり、仕事を辞めたり家出することなどできませんよね。そのため怒りは使われず、またそれを感じないように心が防衛機構として"抑圧"を行い、そもそも怒りなど感じていないように思わせます。(意識上認識しなくなる、気付かなくなる)こうして人は慢性的にストレス環境下に置かれるようになるのです。
TMSの原因となる抑圧された怒りには以下のようなものがあります。
・日常生活におけるプレッシャーによる怒り
・幼少期に受けたトラウマによる怒り
・欲求を満たすために自ら課したプレッシャーによる怒り
TMSプログラムの効果性
下のグラフはTMS治療プログラムを受けた慢性腰痛患者を無作為に抽出し、1~3年後の状態を調べたものです。
また、次のグラフは1987年に行われた追跡調査で、椎間板ヘルニアと診断された患者を対象とした1~5年後のものです。
これらを見る限り、いかにTMS治療プログラムが効果をあげているかがわかります。
それはまた"腰痛"をはじめとする筋肉痛、神経痛、関節痛や腱痛の多くと心理的な要因が密接に関係があることを意味しています。
TMSとセラピー
少し話は変わりますが、セラピーを行っているとクライアントさんからの声の中で、もともと問題となっていた直接的な悩みが改善しただけでなく
"ひどかった腰痛が感じられなくなった"
"ガチガチだった肩がやわらなくなった"
と伝えていただくことがよくあります。
これは、TMSの理論をもとに考えれば理解が容易です。
TMSの中では抑圧される怒りのひとつとして
"幼少期に受けたトラウマによる怒り"
をあげています。そしてセラピーではこのトラウマを扱います。
"トラウマ"ときくと"トラウマなんてひどいものは私の過去になかった"と答える人が大半でしょう。ですが、虐待やネグレクト(無視)などわかりやすい"トラウマ"までいかなくても、人は幼少期のころに数々の"悲しみ"や"恐怖"を感じる体験をしています。
分かりやすい話をひとつしましょう。
これは僕個人の話になりますが、僕が2歳くらいの頃、母親が僕をアパートに預けて買い物にいったそうです。アパートには父親がいたので大丈夫だろう、と思ったそうなのです。だが、買い物から帰ってくると家の前には近所の人が集まっています。いったいどうしたのだろう・・・と思って母が一人に訊ねてみると
"ずっと◯◯ちゃんがわんわん泣いてるで!どこいってたの!?"
と怒って返してきました。
実は父は子供の世話は知らん顔でひとり寝室に篭って寝入ってしまっていたのだそうです。
たかが、子供を置いて買い物に行く、ということですが、そんなことを理解できない子供にとっては
"母親がどっかへ行ってしまった"
"僕は捨てられたんだ"
という恐ろしい体験となっていたわけです。
もっとも、幼児は長期記憶を司る海馬が十分に発達していないため本人としてはまったく覚えていなかったのですが。
それぐらい"トラウマ"的な体験というのは案外誰しもが経験していたりするものです。
実際セラピーをしていると、そこには号泣を伴うような悲しみや、全身がガクガク震えるような恐怖が現れることはいたって普通のことです。
そしてそれらの感情には"そんな辛い体験をさせた親(もしくは加害者)への強い怒り"がセットでついています。当人はそんなことまったく覚えていないのですが。
こうした感情は、それに気づかない限り"抑圧"されて本人の体の中にずっと残ります。
その怒りがストレスとなり、腰痛をはじめとして体に痛みを生じさせているのです。
おわりに
腰痛をはじめ、各所の長引く痛みは実は心因性のものの可能性が大いにあります。さまざまな治療法を試したけれど改善しないという方は、この長谷川さんの"腰痛は怒り>であるの本やサーノ博士の本"サーノ博士のヒーリング・バックペイン―腰痛・肩こりの原因と治療"を手にとってぜひ読んでみてください。
また、逆に言えば、こうした慢性的な痛みがあるのであれば、実はその裏には抑圧され意識されない怒りをはじめとした辛い感情が隠されている可能性があります。自分に感情を抑えたり我慢する癖がないかチェックしてみてください。